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補助金の受給資格まで取ったのに審査が厳し過ぎて申請を断念した経験について

投稿日:2019年6月7日 更新日:

補助金というのは深く考えてみると難しく細かいです。 
 

例えば、今現在募集が開始されている小規模事業者持続化補助金は「販路開拓に有効なものか?」という面を見て

それにかかる費用の3分の2が補助されます。 
 

補助金は自信が計画したものの金額に補助が付くという認識を持ってもらえればと思います。

さらに、補助金は必要な書類が非常に多く審査に折れる方が数多くいらっしゃいます。 
 

そんな、申請に折れてしまった体験談を今回はお話ししていきます。 
 

営業活動への補助金申請をしたが……

今から3年前に役員をしていた会社で補助金の申請をし受給資格までは取ったのですが

実際の補助金の申請は断念した経験があります。 
 

なぜ、断念したのかを体験談をご紹介します。 
 

私が役員をしていた会社は創業間もない家具の卸売りなどを請け負う会社でした。

主に地元の家具メーカーの商品などを日本各地の家具店や自治体などに

紹介する活動を行っておりまして 
 

地元の地域振興にもつながるということで、

創業当時から自治体から様々な支援を頂いていました 
 

そういう背景があったので地元自治体の地域振興の補助金を申請したところ

受給資格を得ることが出来ました。 
 

この際に担当の役員が

創業当時から自治体関係者と様々な人脈を持っていてそれを駆使していたので 
 

受給資格を得ることや申請にあたっても審査はそんなに厳しくされないだろう

という甘い見通しをしていました。 
 

この補助金の具体的な内容ですが

地元の家具を日本各地の自治体に営業活動をする際の交通費や宿泊費などが申請すると  
 

6割は補助されるというもの

対象期間は年初から年末までの1年間で翌年の3月までに申請をします。 
 

1年間の営業活動の費用の6割は補助されるということだったので

社内の営業担当者らは家具の販売以外の営業活動なども併せて行うようになりました。 
 

私は役員でしたが内部管理担当であったので営業活動には直接かかわりませんでしたが

営業系の役員や社員たちは補助金が出る前提でどんどんコストをかけて営業に出るようになりました。 
 

そして、補助金の申請の審査も甘いであろうという見通しがあったため

営業活動の記録は特に残すこともなく、各自が自由に営業活動を行っておりました。 
 

そうして、1年間、営業経費の6割は戻ってくるという楽観的な見通しのもと

さんざん営業経費を使い、翌年の2月から申請の準備をすることになりました。 
 

申請の準備を始めたが……

その準備の担当者は私でした。 
 

営業日報などは特になかったので営業活動で使われた領収書を添付し

それに基づいた簡単な経費申請報告書を作って準備をしましたが 
 

その際に行政の方にフォーマットなどを確認したところフォーマットはフリーではあったものの 
 

いつ、誰と、何時何分から何時何分まで面談をしたという報告書とともに

確実に裏付けの取れる資料も提出するように」と言われました。 
 

言われてみれば、もっともな話です。 
 

誰に会ったのか、そのための移動なのか、が証明できなければ

行政としては経費を補助することはできません。 
 

当たり前のことではありましたが営業担当の役員が「審査は甘いので大丈夫」というので

その言葉を鵜呑みにしていた私が馬鹿でした。 
 

結局、すべての訪問に対して、その報告書を出す必要が出たので

営業担当者にヒアリングをすると、そもそも記録がないので覚えていない、とのこと。 
 

それでは補助金申請が出来ません。

適当なことを書いてしまえば、虚偽申請になります。 
 

そこで営業担当役員になんとか詳細を思い出して記入してもらうようにお願いしましたが

「そんなに審査が厳しいはずはない」と言って、行政側に確認すると言い出しました。 
 

補助金の申請チェックは厳しかった……っ!

実は補助金の申請のチェックは外部団体に委託されていたのでした。

外部に委託されているので厳格に審査を行います。  
 

ですので、行政側に確認したところで委託された審査会社の基準が緩和される

などということはあり得ないのです。 
 

ですので、悪あがきはやめてきちんとした報告書を出すように営業担当役員に伝えました。 
 

そして、彼らに詳細をヒアリングすると・・・

なんと補助金の対象となる営業活動は殆どないことが判明しました。 
 

たとえば、2泊3日の営業活動で

補助金の対象となる営業活動は1時間程度という面談が殆どだったのです。 
 

このように他の営業活動をメインで行った場合は

その出張の交通費、宿泊費を補助金の対象とすることは難しいそうです。 
 

そのあたりは、適当に書けばなんとかなるのでは?と思われそうですが 
 

報告書では面談相手の会社、住所、フルネーム、面談場所、時間、面談内容を記載

怪しい場合は審査機関が裏取りを行うとのことだったので

正確さを要求されます。 
 

今の時代はこんなに厳しいのです。 
 

そんな現状を全く把握していなかった営業担当者たちは丸1年の活動について何ら記録を残してこなかったので

そんな細かい報告を書かなければならないことに辟易しだしました。 
 

更に私の方でも、彼らの報告書と領収書を添付した書類に

更に値段の根拠となる資料を全て添付するように審査会社に言われ 
 

たとえば、地下鉄に乗った場合には、その地下鉄の料金表を全て報告書毎に添付しなければなりません。

それも、審査会社が見やすいように添付の仕方にもいちいち、指示があるのです。 
 

更に飛行機であれば、飛行機の料金表を添付する必要があるのですが

飛行機は季節によって変わるため、季節ごとの料金表を過去に遡ってプリントアウトして添付をするなど

1つの報告書を作るのに大変な労力がかかりました。 
 

それが何万円もの経費ばかりならよいのですが、数千円の経費でも同じように手間がかかるため

営業担当者も私もいったんは作成をしてみたものの徐々に疲弊していきました。 
 

そして、最終的にどれだけの経費が補助になるのか見積もったところ

当初は150万くらいを見込んでいたのに審査を通りそうな経費はなんと20万円前後であることが判明。 
 

たった20万円の報告書作成のために、膨大な時間と労力がかかり

営業活動にも支障が出始めたため最終的に営業担当役員が「申請は行わない」という判断をしました。 
 

以上は私が以前役員をしていた会社での補助金断念の経緯です。

審査がこんなに厳しくなったのは不正受給が相次いだり審査が外部機関になったりしたことが要因でしょうか。 
 

当たり前のことですが、本当にかかった経費にしか補助金は出ないし

全てを証明できなければ補助金は出ないということを身をもって知った経験でした。 
 

まとめ

補助金の申請というのは一筋縄ではいきません 
 

とにかく細かいチェックが数多く存在し「用途」に関しても

問題になります。 
 

補助金の種類によっては改装工事の「図面」「費用」だったりを

要求されるような可能性もあります。 
 

決算書を要求される可能性も存在するため

補助金を申請する際は綿密な事業計画書を準備する必要があります。 
 

しかし、逆に言えばしっかりと書類を準備すれば

申請が通る補助金は存在するのでいろいろと情報を調べていきましょう。

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