フリーランス(個人事業主)となれば「活動資金の確保」「設備投資の確保」のように
最初のうちはお金がとてもかかるところが多いです。
そのために資金調達の手段を知っておく必要があります。
新規調達には様々な種類が存在していますので
今回はその内容について説明していきます。
資金調達の手段
資金調達とは事業に必要な資金を調達することですが
その方法は一つだけではありません。
資金調達というと銀行からの借り入れが一般的ですが、その他にもさまざまな手段があります。
下記に代表的な資金調達手段を紹介します。
【融資】
一口に融資と言ってもいろいろな形の融資があります。代表的な融資には、以下のものがあります。
・ 政府系金融機関からの融資
・ 都道府県等の制度融資
・ 信用保証協会の保証付きの融資
・ 銀行からのプロパー融資( 信用保証協会付でない融資)
・ ノンバンクからの融資
基本的には銀行などの金融機関からの融資が主で
近年に至っては都道府県にもよりますが低金利の融資も存在しています。
【助成金・補助金】
助成金と補助金とは
国や自治体、財団などが給付している返済のいらない資金です。
この「返済のいらない」というのは開業を考えている人に限らず
資金調達を考えている人にとっては最大のメリットではないでしょうか。
多くの省庁や団体が様々な補助金や助成金制度を持っています。
各要件にはまっていれば支給される可能性がありますのでぜひ、活用したい制度です。
なお、「助成金」と「補助金」に明確な区分けがある訳ではありません。
傾向としては「助成金」は厚生労働省が管轄するものが多く
「補助金」は経済産業省など厚生労働省以外の官公庁、地方自治体、民間が扱っていると捉えて良いかと思います。
以下に助成金と補助金をそれぞれ説明していきます。
【助成金】
「助成金」は基準を満たせば原則として受給できるものです。
厚生労働省が管轄しており財源を雇用保険料にしていることから
労働者を守るために労働環境や雇用環境の改善等を推進することが助成金の支給要件の一つです。
1 件あたりの金額は「数十万円~ 数百万円」とあまり額としては大きくないものが多いですが
種類が豊富で受給要件を満たしていさえすれば申請すれば受給できるので
ぜひ活用してもらいたい制度です。
ただし、会社が社会保険や雇用保険に適切に加入していないと
そもそも申請をすることができないこともありますのでご注意ください。
助成金については種類が豊富であり内容を把握することが困難なためせっかく助成金の要件にマッチしているのに
制度の存在を知らなかった為に助成金を受けられていないという話は非常によく聞きます。
また、助成金についてしっかり情報を仕入れている会社は、何度も助成金を受給している。
ということは珍しいことではありません。
このようなことから、助成金に対するアンテナを高くしておくことは会社の運営に非常にプラスになります。
とはいえ、常に助成金のことばかりにアンテナを向けておくわけにもいかないでしょう。
本業がおろそかになってしまっては本末転倒です。
助成金には受給するためにはその要件に当てはまるタイミングがある事もあります。
全ての情報を自社で把握することは難しいので、これらの情報に詳しい専門家をうまく利用することをお勧め致します。
【補助金】
「補助金」とは新しい技術や新商品の開発や研究を行う企業や異業種進出等の新しい事業をこれから行う会社など
いわゆる、新しいことや革新的なことをやる会社を補助する制度です。
前述の助成金と異なり、ほとんどのものが公募の形を取っています。
申請の受付期間が決まっており、受付期間が過ぎた場合は応募ができません。
また、補助金の場合は予算が決まっていますので要件を満たしたものをさらに審査をします。
したがって、要件を満たせば受給できる助成金とは違い
さらに審査に通らなければ補助金を獲得することはできません。
補助金をもらうことには見積書や決算書、事業計画書等が必要になる場合が多いため
助成金と比べると難易度が高いといえます。
1 件あたりの金額は「数百万~ 」と金額的には助成金に比べて大きな額を受けられますが分野、領域が限定されており
受付期間も限られ、条件も厳しいものが多いため、手続するのに非常に手間と時間が掛かる傾向にあります。
補助金は管轄する団体が多くありすぎて、専門家でも全ての情報を把握しきれないというのが実情です。
様々な専門家とネットワークを持ち、より多くの情報を得られる体制を作っておくことが、より補助金を受けやすくする秘訣ではないでしょうか。
最後に注意点ですが、よくご相談者から「助成金をもらって創業したいのです。」というお話を聞きますが
助成金や補助金は原則後払いにより受給します。
したがって、事業を興すために必要な資金を助成金により賄うということは、難しいのです。
あくまでも、創業に必要な資金は別の方法により事前に調達し、助成金を活用することにより
後から補てんするといった使い方になります。
よく勘違いされるところなのでお気を付けください。
【出資を受ける】
高い成長性が見込まれるベンチャー企業に対し、成長に必要な資金提供と経営支援など「成長」を応援し
企業価値を高めることでキャピタルゲインを得る事を目的とする投資会社( ベンチャーキャピタル)
ベンチャー企業に資金提供や経営アドバイスを行う個人投資家( エンジェル)
または、中小企業投資育成株式会社から投資してもらうことにより資金を調達します。
現実的には、新規創業者がこのような出資を期待することは
よほど将来性が高く、独自性のあるビジネスではない限り難しいかと思います。
【社債発行】
社債には、一般投資家を対象に販売する公募社債と、少数かつ特定の投資家に対して販売する私募債に分類できます。
中小企業など非公開会社が発行する社債は通常は、私募債になります。
私募債の発行は、優良企業の証となるものであり
会社にさまざまなメリットが期待できる資金調達法ということにもなります。
中小企業が多く利用する方法として、「少人数私募債」という方法があります。
「少人数私募債」とは、50 名未満( 一定の制限あり)の引受者( 役員、縁故者、取引先など) に対して取締役会の決議( 取締役会非設置会社では、株主総会で決議) に基づき行なわれ発行金額、償還期間や利率を自由に決められる社債であり、中小企業にとって、比較的使い勝手が良く、メリットの多い方法です。
まとめ
今回の話をまとめると
■金融機関等による融資
■国や自治体、財団による補助金・助成金
■出資を受ける
■社債発行
以上が、資金調達のための主な方法となります。
実際には個人事業主や法人の開業時・創業時に活用できる可能性が高いのは
上記の【融資】・【補助金・助成金】になるかと思います。
しかし、何度も良いますが本業がおろそかになってしまっては
本末転倒となってしまいます。
特に在宅ワークの方であれば調べてかつ
専門の商工会や行政書士に行けば話を聞くことができます。
しかし、こういうことを言いたくはありませんが
全く知らない状態で向かうと取り留めのない解答を受けることになりますので
いろいろと資金調達の種類や内容を調べてから行きましょう。
特に会社を辞めてフリーランスになった方であれば
助成金について調べて申請しましょう。