銀行融資については、会社でも個人でも、その融資を受ける際には様々な手続きが必要です。面倒なところもあるかもしれませんが、そのプロセスを踏まないと銀行はお金を貸してはくれません。
銀行融資が必要となってくる際には、事前にきちんとその流れを理解しておいたほうが懸命です。
知っておくことで余裕をもった手続きができます。銀行融資といえども、やはり人間同士のやりとりなので、オドオドした人よりも余裕のある人の方が信頼されます。
今回はそんな銀行融資について紹介していきます。
融資と借金の違い
融資と借金は、お金を借りるという面では一緒です。なので「何が違うんだろう?」と疑問をもたれている人もいると思います。
簡単にいうと「融資」は事業を行うために借りるお金のことです。
つまり「事業のため」という明確な使用意図や返済計画が定まっていることで、はじめて借り入れができます。
使用意図が不明瞭で、返済能力も見込めない場合は融資が実行されるということはありません。審査は厳正に行なわれます。
ちなみに「借金」は消費のために借りるお金のことです。生活費、遊行費などですね。あくまで事業のために借り入れをする、これが「融資」となります。
銀行融資の方法
方法としては、よく銀行の営業マンが会社に訪問してくるということもあります。その時に相談したり、もしくは経営者が銀行の融資相談窓口に直接行って訪ねましょう。
まずは相談してみて、手続きのことなどを聞いてみましょう。詳しく教えてはくれますが、まずは自分の会社がどういう会社なのかを細かく丁寧に説明しましょう。
「なぜお金が必要なのか」ということが明確にわかる書類などをもっていくのも分かりやすくてよいでしょう。
また身なりもきちんと整えておきましょう。高級品で身を固める必要もありませんが、清潔感のある身なりで失礼のない風貌で出向きましょう。
申し込みの内容・必要な書類
法人、もしくは個人事業主のどちらかにより、申し込み書類は異なってきます。
共通する書類としては「決算書類」「資金使途を明確にする資料」「資金繰り表」「売買契約書(写)」「事業計画書」です。
これら以外に追加の資料を求められることもありますので、気をつけましょう。
人的担保・保証人
事業内容などで、どうしても信用面などで不安がある場合に、信用不足をカバーするために人的保証や物的担保が求められる場合があります。
人的担保は保証人や連帯保証人と呼ばれています。債務者の返済が滞ってしまった場合に債務者にかわって返済の責任を負うのが保証人、連帯保証人です。
保証人は責任が限定的、連帯保証人は債務者と同等の責任を負います。中小企業の事業融資では法人の代表者が連帯保証人になります。
物的担保は不動産などです。土地などは銀行からすれば換金性が高いので良い物的担保とみられています。
ほかにも国債や株券、公社債なども物的担保として評価が高いです。融資は担保の登記申請が完了してから実行されます。
いくら「早く借りたい!」と頼んでも登記が完了するまでは絶対に融資には応じてくれません。
契約
無事審査を通ると契約に入ります。契約書に署名と捺印をする前に内容をよく確認しておきましょう。
合意した内容になっているか、間違いはないかを再度確認しておきましょう。
契約書は同じものが2通交わされます。1通は銀行、1通は融資先です。いつでも契約書の内容を確認できるように、少なくとも融資が完済されるまでは手元に保管しておかなくてはいけません。
融資実行の翌月には返済が始まります。きちんと返済期日に返済しなければ信頼度が落ちますので、気をつけましょう。
事業計画書の内容
内容は事業の目的、戦略などを書きましょう。基本的には文章で説明する必要がありますが、図を用いても構いませんし、そのほうが分かりやすい場合もあります。
盛り込む内容としては、「創業者のプロフィール」「ビジネス・理念・ビジョン」「事業の概要」「自社のサービスや特徴」「市場環境」「マーケティング戦略」「生産方法、仕入れ」「売り上げ予想」「損益計算書予想」「開業資金」などです。
担当者が理解しやすい読みやすい文面で作成しましょう。