フリーランスの方なら一度は調べたことがある「補助金」ですが
補助金の申請って、実は想像以上にめんどくさいですし、必要書類の多さに混乱してしまいます。
私の現在の職種的には補助金や融資の申請について仲介役になって書類を作成する業務もありますが
補助金の内容によっては本当にめんどくさいものとなっています。
フリーランスに取ってみれば一円でもお金がもらえるなら必死になる補助金について
今回は1人の男性が補助金の申請に失敗してしまった、体験談についてお話していきます。
前職からの人脈を元に起業しようと補助金申請したが
現在は創業した時の仕事を地元中小企業の中で契約社員(49歳)として行っています。
私が最初に応募した補助金は、約5年前に応募した創業補助金です。
この補助金は国(経済産業省中小企業庁)が実施しているもので
当時、前職で得たノウハウと人脈をもとに起業しようと考えていた私は
創業セミナーでお世話になった金融機関に相談して同補助金を申請することにしました。
準備を始めてみると思ったよりボリュームがあり
内容や条件も細かかったため、提出書類の作成が大変でした。
それでも金融機関と何度もやり取りをし
なんとか承認(認定支援機関の認証が必要)を得られました。
そして、書類の送付ですが
慣れない電子申請にチャレンジしてみたらこれも大変で、丸一日かかりました。
そして、結果が発表されたのですが、不採用でした。
自分にとっては莫大の時間と労力を割いて書類を作成したのですが
徒労に終わってしまいました。
もちろん、すべてが無駄に終わったわけではなく
経営計画書の作成など、今後経営を行うにあたり
参考になった部分は多々ありました。
でも、脱力感(精神的)と喪失感(時間)はそれ以上のものでした。
諦めず2度目の申請
補助金が通れば、法人としての事業開始を予定していたのですが
結局、個人事業主としてスタートすることになりました。
その後、個人事業主のまま事業を継続していたのですが
昨年になり今度は国が事業承継補助金(これも経済産業省中小企業庁)の募集を
始めだしたというのを知りました。
この補助金は、「事業承継(事業再生を伴うものを含む)を契機として経営革新等や事業転換を行う中小企業に対してその取り組みに要する経費の一部を助成する事業で、新たな需要や雇用の創出等を促し、わが国経済を活性化させることを目的新たな需要や雇用の創出等を促し、我が国経済を活性化させることを目的」で
代表者交代型とM&A型の何れかで申請する補助金でした。
その頃、取引先の社長から関連会社(株式会社)が休眠状態なので
安く売却してもよいという話もあり、事業承継補助金の検討もすることになりました。
創業補助金の失敗もあったので、ずいぶん悩みましたが
事業承継補助金は比較的新しい補助金で
採用される確率も高い可能性があるとの情報があり、申請することになりました。
しかし、準備を始めてみると、前回同様時間がかかり
何度も心が折れそうになりました
お盆休みも書類作成に費やし、「また通らなかったらどうしよう」という不安も常に付きまといました。
それでも、支援機関(金融機関)や事業引継ぎ支援センター(国の外郭団体)などの支援を受けながら
何とか期限ギリギリに書類を作成。
今度は電子申請でなく、書面での申請を行いました。
理由は、電子申請だと本当に届いたのか不安だからです。
今回も時間を費やし何とか申請にこぎつけたのですが
苦労の甲斐なく不採用の通知が届きました。
金融機関(認定機関)からは、補助金は通らなかったが
資金の需要があれば相談してほしいと言われましたが
休眠会社の社長と相談した結果、今回は譲渡を見送ることになり
M&A自体の話も消滅しました。
追い打ちをかけるかのように不採用の理由が……?
こうして私の2回にわたる補助金チャレンジはむなしく終わったわけですが
両補助金に対して感じたことは、不採用の理由がわからない(教えてもらえない)ということでした。
・「申請書類に不備があった」
・「補助金の審査時期に同銀行(支援機関)を巻き込むスキャンダルがあった」
・「業種が同補助金にそぐわなかった」
・「書類の内容が申請基準を満たしていなかった」
など、色々考えたりしたのですが
結局ダメだった原因が何だったかすらわからないのは如何なものかと思います。
私の場合、事業は組織を変えて何とか継続していますが
中には何度も時間をかけて補助金を申請しては不採用になり
事業継続そのものを断念した方も少なからずいると思います。
国の事業なので、国の機関が募集して審査するのは当たり前かもしれませんが
事情を知らない第三者が書類だけで審査するのは望ましくないような気がします。
例えば、地域の事情に詳しい地元の支援機関等(よろず支援拠点や事業引継ぎ支援センターなど)が面接審査なども行い
採用後も事業者を支援する方式のほうが良いのではないでしょうか?
他にも申請期間が短い点(一か月程度しかない)や
不採用時のダメージが大きい(補助金申請に費やす時間を事業に回せば相応の利益を得られたはず)といった部分を改善すべきと考えます。
国も企業が減っている現状に危機感を抱いているようですが
創業者や事業継承者をふるいにかけてしまうような補助金制度だと
かえって企業を減らす結果になりかねないような気がします。
まとめ
補助金や資金調達に関しては様々な要因で不採用となってしまいます。
申し込み書類の不備や今までの借金返済に延滞が一度もないかどうか、または逆に一度もクレジットカード等で借金をしたことがあるかどうか?事業計画書が簡素過ぎたか
恐らく何か原因があるはずです。ぶっちゃけた話、ここまで必死になってノーマネーでフィニッシュになるのであれば、本業を頑張ってみた方が良かったかもしれません。
ですが、私の今の発言は結果論であり、この男性が挑戦してみたことに賞賛を送りたいです。