フリーランス(個人事業主)活動や法人活動をしていると資金調達関連で
「事業計画書」を提出してくださいと言われることが多々あります。
事業計画書には規定が特になく良くいってしまえば自由といった感じです。
日本政策金融公庫から渡されるA4用紙3枚程度のものもあれば
ベンチャー出資の場合には100枚作らされる場合もあります。
しかし、事業計画書は少なく書こうが多く書こうが相手に伝わらなければ全く意味がありません。
今回は読みやすさ等ではなく中身の「事業計画書作成の上で最低限押さえておくべき5つのポイント」について話していきます。
目次
事業計画書が必要な理由
アイディアや企画だけ良くても事業は成功するわけではありません。
マネーの虎の文野直樹社長(イートアンド株式会社【餃子の王将】代表取締役)も話していましたが
あのー独立志向がお強い方だと思うんですよね、技術と経営は全然違うんですよね。技術ができるから、あなたみたいに少しのアイデアで独立する人もたくさんいる。特に飲食店というのは簡単にできますから。でも、そこに経営がないから、5年以内に75%が潰れて借金を背負うことになる。まあ、こういう我々もB級のグルメであるほど尊いけど、シンプルであればあるほど難しいとも思う。参照:マネーの虎 新感覚の石焼ビビンバ店長の回
「発想は良いのに、なぜかいつもうまくいかない」といった人を目にすることも多いと思いますが
どんなに優れた企画でも一度きりで終わってしまっては意味がありません。
継続的に利益を生み出すためには計算された戦略や数字に裏付けられた戦術が不可欠で
そのために作成するのが「事業計画書」です。
事業計画書作成
事業に対する想いと共感のパート
ビジネスの世界では常に他社よりもいかに大きな価値を提供できるかという戦いが行われています。
優れた価値を提供できない者、価値の提供が継続できない者はそのマーケットから撤退をしなければなりません。
コピーライターとして文章を書く基本に「相手に共感する」ということがあるのですが、それと似ていて
事業計画書作成の最初のパートは「あなたが勝てる可能性の高いマーケットは何か?」と同時に
この事業に対するあなたの想いや社会的な意義を以下の通りで伝えます。
■「事業コンセプト」…事業へのあなたの想いを共感してもらうのが目的
■「5年後のビジョン」…あなたの仲間や支援者に「目指しているゴール」を具体的に見せます
■「事業ドメイン」…あなたの戦うマーケットはどこかを明らかにします
事業戦略を客観的なデータに基づいて検証するパート
次のパートでは簡単に言うと「データに基づいてあなたの強みを書くパート」です。
市場を取り巻く状況、競争相手の動向、あなたが持っている資源を分析して
あなたが選んだ勝てる可能性の高いマーケットを勝ち抜くための最も効果的な戦略をまとめます。
■「この事業が求められる理由」…社会環境や経済情勢の影響を受けずに成立するビジネスはありません。そのマーケットをするということは何か理由があるはずです。そのような外部環境を分析します。
■「市場規模」…どんなに優れたビジネスプランでも、市場規模が小さければ事業化は難しく相手は感じてしまいます。そんなわけで市場の大きさを調査してデータや表を使って表します。
■「競合他社の動向」「顧客のメリット」「自社の強み」…市場は、あなたと他者と顧客の三者の関係で成り立っています。敵を知り自分を知って、マーケットで勝ち抜くための事業戦略を練り上げます。
具体的な事業戦略をまとめるパート
どんなに優れた商品・戦略でも、それだけでは勝ち残ることができません。
本当に売れる商品なのか、実用性のある組織体制になっているのか、キャッシュの源泉は確保されているのかなど
具体的な戦略を決定していきます。
■「商品・サービス説明」…商品・サービス等の特徴や強み、価格について具体的に説明します。
■「販売戦略」…どうやって商品を売るのか、販売チャネルや営業戦略、広告宣伝の方法について説明します。
■「ビジネスモデル」…利益の源泉を確保すると同時に商流・金流・物流について図示します。
■「社内組織図」…組織として事業をどう推進していくかを図示します。
目標達成の過程を数字に落とし込むパート
社会はどこに行ってもそうですが「結果が全て」です。その結果の指標として「数字」というのはとても大事です。
事業が成功したかどうかの判断は、どれだけ儲かったのか、いくら現金が増えたのかなど、数字で評価されます。
信頼できる事業計画書とはどれだけ信憑性のある数字の裏付けがあるかにかかってきます。
■「売上計画」…利益の源泉となる重要な数値です。この部分の説得力が弱いと、事業計画書そのものの信頼性を損ねてしまいます。
■「売上原価計画」…売上計画に最も影響力のある経費項目で売上に連動して変化します。
■「人員計画」…予定した売上があがらなくても、毎月一定額が発生する、簡単に辞めさせられないなど利益に及ぼす影響力の大きな経費項目です。
■「設備計画」…一度に多額の現金が必要となる項目なので、資金繰りに与えるインパクトの大きな項目です。
■「利益計画」…要するに「一体いくら儲かるのか?」を計算します。支援者が最も知りたい情報であり、事業計画書のキモの部分です。
なぜこの事業が成功するのか?まとめパート
■「この事業が成功する理由」…最後に事業の核心とあなたが最も伝えたかったメッセージを要約してまとめます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
■事業に対する想いと共感のパート
■事業戦略を客観的なデータに基づいて検証するパート
■具体的な事業戦略をまとめるパート
■目標達成の過程を数字に落とし込むパート
■なぜこの事業が成功するのか?まとめパート
この5つのパートで進めていくと分かりやすい事業計画書を作ることができます。
事業計画書とは一言でいうのは難しいですが「自分はどこで戦うか」「データ」「戦略」「あなたの想い」
これらを文章や図やグラフで表して相手に説明するものだと思います。
事業計画書は補助金やマル経などの資金調達関連では必須になりますので
是非、今回の記事を頭の中に入れて頂ければと思います。