地方創生という言葉をよく耳にしますが、人口減少が続く様な地方では雇用機会自体がどんどん減少している地域も少なくありません。
地方雇用開発助成金はそんな田舎の雇用の場を増やす事に貢献した事業主に支給される地方創生に合致した助成金です。
事業を行うためには人手が必要ですが、そもそも事業者にとって雇用の際に掛かる人件費は負担が大きく悩み所の1つとなっています。
ところが地方雇用開発助成金の対象となる地域内に事業所を持っていれば、助成金を利用する事で新たに社員を雇い入れる際に掛かってしまう経費の負担を軽減可能です。
ただしこの助成金は、ただ申請すればすんなり通って受け取れる程シンプルではなかったりします。
地方雇用開発助成金を利用するには、諸々の条件を満たす必要があるので注意すべきです。
今回はそんな「地方雇用開発助成金」について説明していきたいと思います。
地方雇用開発助成金の目的
そもそも地方雇用開発助成金が生まれた目的は、首都圏等の都市部への集中を抑えつつ他地域への雇用機会の増加を促す事です。
先ほどちらっと述べた「地方創生」を狙った補助金だとも考えられています。国内は少子高齢化が着実に進んでおり、労働者は仕事を求めて首都圏等の都市部へと流出しているのです。
中には生まれ育った地元で働く意欲がある人もいますが、地方では求人自体が少ないため希望を叶える事が出来ずに結果的に都市部に働きに出る事になります。
同様に地方の中小企業では資金不足から雇用が上手く行かずに人手不足に陥り、経営状態が悪化するという負のサイクルが生まれていたりするのです。
そんな中、地方雇用開発助成金を活用すれば、事業主は雇用に掛かる経費を軽減出来るので人手不足を解消する事が期待出来ます。
同時にその地域に住む求職者もわざわざ都市部に出る事なく、地元に残って働く事が可能です。
この様に、雇用主と雇用者のどちらにも大きな利点がある助成金となっています。
地方雇用開発助成金の対象者
そんな地方雇用開発助成金ですが、対象となるのは雇用した時点でその地域に居住する求職者である事です。
地域外に居住して通って来る求職者を雇用しても、対象外となるので注意する必要があります。
更にハローワークや地方運輸局等から紹介された求職者であり、雇用した後に新たに設置したり整備した事業所で働く事も条件です。
その上、助成金の受け取りを目的とした雇用でない事も重要であり、受給後も継続して雇用される見込みがある人が対象となります。
同様に不正受給を防ぐため、事業者と3等親以内の親族は対象外となるのです。
この他にも諸々の条件を満たす必要があるので、雇用を実行する前にしっかりと確認を行わなければなりません。
地方雇用開発助成金の支給金額と条件
地方雇用開発助成金は、計画日から完了日までに必要となった事業所の整備、設置費用に加えて、支給対象者数によって1年ごとに最大で3回支給されます。
加えて中小企業の事業主に限り、1回目の支給額に限ってですが支給額の二分の一の金額が上乗せされるといった優遇処置もあるのです。
気になる地方雇用開発助成金の申請方法ですが、計画書を作成して管轄労働局長に提出します。
もっとも創業に合わせて申請を行う事も出来るので、その場合は創業計画認定申請書を提出する事になるのです。
後は最長18ヶ月の計画期間内に、雇用拡大に必要な事業者の整備、拡大を実施します。ただし300万円以上を投じて行う必要があるので、この点は注意すべきです。
その上で地域雇用開発助成金を得るための要件を満たす社員を3人以上、創業時には2人以上増加させた後に、完了届を管轄労働局長に提出するというのが流れとなっています。
申請を通すためには、計画書の作成が重要です。
そして計画書は何より正確性が重視され、申請者が所有する事業所の総数に加え、資本の金額や出資の総額、常時雇用する社員の数といった情報をきちんと記載する必要があります。
助成金に関わる整備、設置費用を記載する欄も存在しており、ここでも具体的な工事内容や正確な金額を書かなければなりません。
もっとも対象となるのは、支払い金額が20万円以上の契約だけです。