資金調達関連

勤務先の事情によって離職した労働者を中途採用した事業主に支給される労働移動支援助成金

投稿日:2019年7月2日 更新日:

労働者の中には、勤務先の倒産や事業縮小など、勤務先の事情によってやむを得ずに離職する人が少なくありません。

そのような離職者の採用計画を立て、中途採用した事業主に支給される助成金に「労働移動支援助成金(中途採用拡大コース)」があります。 
 

なお、中途採用とは、新卒者の採用の枠組み以外で採用することです。

並びに、45歳以上の労働者を初めて中途採用した事業主も支給対象になります。 
 

労働移動支援助成金(中途採用拡大コース)

助成金 詳細

労働移動支援助成金の目的は、中途採用者の雇用管理制度の構築を促進し

経済市場における労働力のスムーズな移動と定着を図ることです。 
 

雇用管理制度」とは労働者の募集や採用を除く、労働時間、休日、雇用契約期間、評価・処遇制度、福利厚生などの規定を言います。 
 

中途採用者は経験から蓄積された知識や技術を保有しており

雇用事業主にとっても即戦力が確保できる上、助成金を受給できるというお得な制度です。 
 

受給対象労働者

事業者 労働者

労働移動支援助成金の受給対象となる労働者は以下の条件を満たしている人です。

1.中途採用計画を立てた事業主から雇用される。
2.雇用保険における一般被保険者、または高年齢被保険者のいずれかとして雇用される。
3.期限の定めのない労働者として雇用される(パートタイムを除く)。

受給対象事業主

事業主が労働移動支援助成金を受給するには、以下の3つの条件の全てを実施することが必要です。 
 

1.以下のことを含んだ中途採用計画を立て、労働局へ提出します。

■中途採用労働者の雇用管理制度の構築
■中途採用実施期間における中途採用の拡大  
 

なお、「中途採用計画」では以下のことを定めなければなりません。

・採用予定職種
・採用予定者数
・採用予定時期
・採用目的
・採用部署や役職
・採用時の評価方法
・採用後のモデルキャリア  
 

2.中途採用計画の実施期間において、以下のことを達成します。

・実施期間以前の中途採用率が50%未満であった場合は、実施期間中に20%以上向上させます。
・実施期間以前に、45歳以上の従業員を中途採用していなかった場合は、実施期間中に45歳以上の従業員の中途採用を実施します。  
 

1)中途採用率の向上の例 

・実施期間(1年間)に助成対象労働者を2人以上雇用します。
・実施期間の中途採用率において、実施期間前日までの3年間の中途採用率の20%アップを図ります。
・実施期間中に雇用した助成対象労働者の離職割合を雇用から6ヶ月後において、20%未満に抑えます。  
 

2)45歳以上の助成対象労働者を初めて採用する場合の例

・実施期間中に助成対象の要件を満たす45歳以上の中途採用労働者を1人以上雇用します。
・中途採用した45歳以上の従業員において、雇用日から6ヶ月以上継続して1人以上雇用します。 
 

3.生産性の向上を図ります。

3年度前の生産性と比較して、伸び率を6%以上にします。「生産性」とは、労働者が1時間に生み出す成果(収益額)のことです。 
 

受給額

労働移動支援助成金の受給額は以下になります(1事業所当たり)。

1)中途採用率の向上:50万円
2)45歳以上の初雇用:60万円
  
 

さらに、生産性を向上させると、1)の場合で25万円、2)の場合は30万円が追加支給されます。 
 

申請手続き

労働移動支援助成金 申し込み手続き

労働移動支援助成金の申請の手順は以下になります。 
 

1.中途採用計画の提出

「中途採用率の向上」または「45歳以上の中途採用者の初雇用」の中途採用計画を作成し、計画実施前日までの6ヶ月間に労働局へ提出します。

2.中途採用計画の実施

中途採用計画に則って雇用を実施します。

3.労働移動支援助成金の申請

計画の終了後、申請書類を労働局へ提出します。なお、提出期限は実施計画によって以下のように異なります。

・中途採用率の向上:計画期間終了日の6ヶ月後の翌日から2ヶ月以内
・45歳以上の中途採用者の初雇用:対象労働者の雇用日の6ヶ月後の翌日から2ヶ月以内

まとめ

いかがでしたでしょうか? 
 

この助成金自体はなかなか使うタイミングが出てこないのですが

頭の中に入れて頂ければと思います。 
 

人を採用するというのは非常にお金がかかることなので

是非、検討してみて頂ければと思います。

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