フリーランス(個人事業主)で大事になってくるのが「確定申告」なのですが、文武両道とも言うように2月や3月になると「確定申告」と「仕事」の両方を捌ききらないといけません。
しかし、建設業や農業なんかと違って主なフリーランスには年中関係ない職種が数多く存在します、「コピーライター」「webデザイナー」「グラフィックデザイナー」等々、これは特に年中仕事をすることが出来ます。
今回お話しするのは、初めてフリーランスの確定申告に挑戦して仕事と確定申告の両立に失敗してしまった、ある女性に関してのお話です。
はじめての確定申告で青色申告を選択したが……?
私は41歳の女性でフリーランスのライター兼Webデザイナーとして活動しています。
個人事業主には前からあこがれていたため、実際にフリーランスになったときは感無量でした。もちろん、フリーランスは営業や経理など、全部自分でこなさなければなりません。
個人事業主の確定申告について調べたところ、青色申告と白色申告の2種類あることがわかりました。青色申告の場合、帳簿のつけ方で10万円控除か65万円控除かを選べます。65万円を控除できるのはかなり魅力的に感じられ、青色申告65万円控除を目指すことにしました。
青色申告の場合、複式簿記による帳簿付けをしなければなりません。たいていの人は会計ソフトを使っているようなので、私も会計ソフトを使おうと思いました。
初めての確定申告で青色申告を目指すのは、私にとってかなりハードルが高かったようです。とりあえず、11月ぐらいから徐々に確定申告のことをネットで調べ、知識を身に着けようと思っていました。
しかし、12月になると、年末ということもあってか、クライアントさんから追加注文がたくさんありました。フリーランスですから仕事があるのはうれしいため、全てお仕事を引き受けたのです。
その結果、12月中はほぼ仕事に忙殺され、確定申告のことはまったく何もできませんでした。年末ぎりぎりまでお仕事したので、せめてお正月はのんびりしたいと思い、お休みの間も確定申告のことは何も手を付けられませんでした。
会計ソフトを導入したが……?
1月後半になって、ようやくお仕事の合間に会計ソフトに登録しようと思い立ったのです。しかし、会計ソフトの登録自体がけっこうややこしく、途中で挫折しそうになりました。会計ソフトの種類によっては、自動で色々なことをやってくれるという評判です。ただ、自動入力するためには、自動入力の設定を自分でしておかなければなりません。
使いこなせていない人の場合、それ自体のハードルがとても高いと思います。売掛取引と支出を入力しようと思ったところ、この内容だけでも私には難しく、なかなか理解できませんでした。請求書を発行して、後日振込や現金で代金を受け取る場合、「売掛取引」になるのです。
複式簿記の65万控除の場合だと、取引が発生したときと代金を回収するときの2回、入力を行わなければなりません。青色申告の10万円控除の場合、代金回収のときのみ入力を行い、未回収のものは年末に追加計上する方法でOKです。青色申告の65万円控除では、ここまでややこしいことをしなければならないとは思いもよりませんでした。そもそも、いつ請求書を発行して、どの時点で代金を受け取ったのか、一つ一つ確認しなければならないのです。
また、支出を入力しようとしたところ、あまりにも勘定科目が多く、最初はかなりとまどいました。フリーランスの気持ちとしては、できるだけたくさんのものを経費として落としたいと思います。
たとえば、家で仕事をしている場合、家賃、電気代、インターネット料金の一部を経費に計上できます。書籍や雑誌の購入は新聞図書費、イベントやセミナーの参加費は研修費という勘定科目になります。
しかし、このような勘定科目について、どこまでが経費として認められるのかよくわかりませんでした。フリーランスの友人に訊いてみると、「全部は経費にあげていない」という答えが得られました。全部を経費にあげてしまうと、なんとなく疑われそうな気がするという理由からです。こういったことから「どこまで何を経費としてあげてよいのか」という問題にかなり悩みました。
青色申告65万円控除の場合、決算書(貸借対照表が必要)まで作成しなければなりません。また、10万円控除と違い、期間後申告は認められず、期間内に提出しなければならないのです。
3月が近づいてくると、年度末ということもあり、ふたたびクライアントさんからの仕事が増えました。結局、確定申告にそこまで時間はかけられず、青色申告65万円控除はあきらめることになったのです。フリーランスの人は、年の後半は仕事が忙しくなるため、時間があるときに確定申告の準備をしておくことが必要だと思います。
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか?
私のはじめての確定申告の時を思い出しますが、結局のところ税理士に頼もうとすると結構な金額になります。なので、自分で確定申告しようという流れになるのは自然です。
かつ、会計ソフトが多く存在しますし、1つ当たりのシステムの使用が8万円とか結構安かったりしますので自分でやろうという事にはなります。しかし、仕事と確定申告の両立はなかなか上手くいかないためそれが失敗の元となってしまいましたね。
まずは、自分でやってみるという試みは良いですが、仕事と確定申告とはうまく調節しながらやっていきましょう。