フリーランス(個人事業主)の大きな壁となるのが確定申告ですが
よく話を聞くのが青色申告が得だよとよく言われています。
ただ、実際どのくらい得なのか?
後は、青色申告をするには何か申込書を書かないといけないのか?
そんな詳しい内容について今回はまとめてみました。
目次
青色申告はどのようにして受けれるようになるのか
青色申告を受けるためには
その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に
提出する必要があります。
なので、初回の確定申告で税務署に行くと
大体「ついでに青色申告承認申請書を書いていきませんか?」と言われるのはこういう理由です。
タイムリミットが3月15日しかないからです。
意外と短く、しかもこの承認申請書がちょっと見づらいです。
直接税務署で書くことをお勧めします。
青色申告のメリット
65万円の特別控除を受けることが出来る
これが一番大きいかと思います。
「白色申告」だと10万円の控除なのですが
「青色申告」の場合最大65万円の控除を受けることが出来ます。
ただでさえ税金で苦しんでいるフリーランス(個人事業主)の方々にとってみれば
神のような控除なので、受け取らない手はありません。
専従者給与をして経費計上することが出来る
これも地味に大きいです。
「専従者給与」というのは自分の家族に給与を与えることなのですが
この自分の家族に与えた給与は全て経費計上することが出来ます。
年末調整の際に所得税がかからないようにするためには
毎月8万円程支払っていれば良いので、
安牌を取るのであれば年96万円を控除することが出来ます。
これは「青色申告」だけの特権なので
是非家族がいるフリーランスの方は「専従者給与」を使ってみてください。
貸倒引当金として売掛金残高の5.5%を経費計上することが出来る
お店などで商品を販売すれば
現金と引き換えに商品をお客さんに渡します。
しかし、事業上の取引では
「先に物を私、代金回収は後日」という事もあります。
これを「売掛金」と言います。
ですが、この売掛金が回収できない場合(貸し倒れ)もあり
そのためのリスク軽減として「貸倒引当金」を使います。
青色申告では売掛金残高の5.5%を経費計上でき
この金額が貸し倒れに対する備えになります。
白色申告でも貸倒引当金は使えますが
取引先に支払い能力が無いなど
ほぼ貸し倒れになること間違いない
という場合だけに限られてしまいます。
赤字になった部分を翌年3年間所得から差し引くことが出来る
上記の図の通りですが
赤字をそのまま翌年の経費にできる
「純損失の繰越控除」というシステムです。
また、この図より
最長3年間まで繰り越すことが出来ますので
ものすごい節税効果があります。
青色申告のデメリット
複式簿記をしなければならない
日商簿記の3級を持っている方にしてみれば
朝飯前という話かもしれませんが
全員が持っているわけでもなく
フリーランスの方は確定申告が初めての簿記という方も多いと思います。(私もその1人)
なので、「単式簿記」とか「複式簿記」とか言われても
何のことやらと思いますが、単式簿記の場合は
例:
①5月10日に売上5万円で現金で受け取った場合
5月10日 収入 売上 50,000円②5月22日に仕入3万円を普通預金から送金した場合(手数料432円)
5月22日 支出 仕入 30,432円
といった感じで「簡単」に書いて行くのが「単式簿記」です。
一方で「複式簿記」の場合は
例:
①5月10日に売上5万円で現金で受け取った場合
5月10日 現金50,000円 / 売上50,000円②5月22日に仕入3万円を普通預金から送金した場合(手数料432円)
5月22日 仕入30,000円 / 普通預金 30,432円
支払手数料432円
といった感じになります。
ちょっとさっきとは違いましたよね?これが「複式簿記」です。
複式簿記に関しては
様々な仕訳方法がありますが
会計ソフトを使いながらであれば
特に混乱することはまずないかと思います。
必要書類が多い
ただでさえ書類が多いにもかかわらず
「青色申告」となるとさらに書類が多くなってしまいます。
会計ソフトを使っている人にしてみれば
あんまり気になるところではありません。
しかし、手書きですべて作成している人にとってみれば地獄のような多さです。
まとめ
今回の話をまとめると
・青色申告を受けるためには3月15日までに青色申告承認申請書を納税地の税務署に提出
・最大65万円の特別控除を受けれる
・専従者給与が丸々経費計上できる
・売掛金残高の5.5%を経費計上することが出来る
・赤字になった部分を翌年3年間所得から差し引くことが出来る
・複式簿記をしなければならない
・必要書類が多い
ということになります。
青色申告は非常に厄介で会計ソフト無しでは
かなりキツイものだと思っておいてください。
そして、初めての確定申告であれば
ガッツリやっても1ヶ月かかる可能性は大いにありますので
時間に余裕を持って取り組みましょう。
最初は本当に慣れないものなので
少しずつ知識を貯めておきましょう。