所得を得た場合に税金を納めるのは国民の義務ですが、必要以上の金額を納めることはありません。
往々にして、個人事業主においては所得から控除しても良い金額を漏らしていることがあります。
確定申告を作成していると「所得控除」を受けれるところがあり
所得から引ける所得控除には13種類があります。
この所得控除は非常に大きい部分になっているので
確認していただいて漏れがないかどうかを確認していきましょう。
目次
所得控除の区分
所得控除は大きく「物的控除」と「人的控除」に分けられます。
1.物的控除:一定の支出があったり、資産に損害を受けたりした場合に認められる控除。
2.人的控除:本人、またはその扶養家族における事情を考慮して認められる控除
この部分については覚える必要はありませんが知識として入れて頂ければと思います。
物的控除
雑損控除
住宅や家財、現金など「生活に関わる」動産に損害を被った時に適用されます。
生活に関わるものであるため、事業用の動産や高級な宝飾品などの損害は対象外です。
被害を被った時というのは地震、落雷等の自然現象による災害、火災等の人為的に起きた災害
盗難や横領、害虫による異常な災害によるものが基本的です。
上記の例の通りで損害の原因は不可抗力によるものでなければならず、自分の過失による損害は控除が認められません。
なお、損害が高額すぎて当該年の所得から控除しきれない時は、翌年以降3年間にわたって繰り越すことができます。
雑損控除で控除できる金額は、次の2つの内いずれか多い方の金額になります。
・差引損失額-総所得金額等×10%
・差引損失額(災害関連支出)-5万円
差引損失額とは損害額から損害保険などで補てんされた保険金額を差し引いたものです。
医療費控除
本人または配偶者、生計を一にする親族の年間の医療費が10万円を超えると医療費控除の対象になります。
なお、本人の年収が311万6,000円未満であれば、10万円を超えなくても控除が可能です。
ちなみに、夫婦共働きの場合は所得の多い方の人が申告すると、より還付される金額が多くなります。
なお、セルフメディケーション税制を適用した場合は、医療費控除の対象金額に含めることができません。
寄付金控除
前にも話しました「ふるさと納税」など、国や地方公共団体などに対する寄附が控除の対象になります。
控除できる金額は以下のいずれか「低い金額-2,000円」です。
・当年に支出した寄付金の合計額
・当年の総所得金額等の40%の相当額
なお、「ワンストップ特例」を適用した場合は、確定申告をする必要がありません。
社会保険料控除
健康保険や公的年金などの保険料を支払った場合、社会保険料控除の対象になります。
社会保険料控除は支払った保険料全額が控除できます。
本人の分だけではなく、配偶者や子どもなど、生計を一にする親族の保険料を払ってあげた場合も控除の対象となります。
生命保険料控除
生命保険会社から送られてくる「控除証明書」を添付します。控除額は最大12万円です。
地震保険料控除
控除できる金額は支払った保険料の全額ですが、所得税では5万円が限度です。
損害保険会社から送られてくる「控除証明書」を添付します。
小規模企業共済金控除
確定拠出年金など、確定拠出年金法に規定する個人型年金に支払った掛け金全額が所得控除の対象になります。
人的控除
基礎控除
全ての納税者に対して無条件に差し引ける所得控除であり、控除額は一律38万円です。
配偶者控除
納税者の所得が1,000万円以下であることを条件に、最大で38万円の控除が受けられます(配偶者が70歳以上は最大48万円)。
ただし、配偶者の所得が38万円以下(給与収入103万円以下)であることが条件です。
もし、配偶者の所得が103万円を超えてしまった場合には次に話す「配偶者特別控除」になります。
配偶者特別控除
配偶者の給与収入が年間103万円を超えると配偶者控除を受けられなくなりますが、188万円未満であれば、上記の図のように段階的に配偶者特別控除が受けられます。
扶養控除
扶養控除とは親族を扶養している(生計を一にしている)場合に控除されるもので
16歳以上且つ6親等内の血族および3親等内の姻族が対象になります。
障害者控除
本人が障害者である場合だけではなく、配偶者や扶養親族の中に障害者に該当する人がいる場合でも適用されます。
障害者1人に付き27万円(障害の程度の重い特別障害者の場合は40万円)が控除されます。
寡夫控除
以下の条件にあてはまると、27万円が控除されます。
・妻と死別もしくは離婚後、再婚していない。
・扶養親族または生計を一にする子がいる。
・所得金額が500万円以下である
障害者控除
いかがでしたでしょうか?
所得控除には様々な種類が存在していますが、見落としてしまうと大きな損となってしまいます。
特に配偶者特別控除に関しては昨年導入されたばかりで
知らない方もいらっしゃるかもしれないですので確認していきましょう。